親と子のどちらも一人にしない
ベイビールナというキャラクターが大切にすること
言葉にならない気持ちのそばに、この子はいます。
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MIRAISえほんには
「ベイビールナ」という
小さなうさぎのキャラクターが登場します。
CNPのうさぎのキャラクター「ルナ」から生まれた
MIRAISの新しい仲間です。
今回の絵本だけで役割を終えるのではなく
これからMIRAISの世界と一緒に育っていくキャラクターにしたいと思っています。
MIRAISえほんの制作チームでは
これまでたくさんの物語の案を出してきました。
それぞれが自分の子育てを振り返り、
忘れられない場面や、当時は言葉にできなかった気持ちを持ち寄っています。
親が怒ってしまった日。
子どもが泣き止まなかった日。
優しくしたかったのに、余裕をなくしてしまった日。
一緒に笑えなかった日。
どの出来事にも、その人だから語れる実感があります。
みんなで言葉を重ね、物語を考えていく中で、
少しずつ見えてきたことがあります。
それは
ベイビールナが、どんな存在なのか。
ということです。
育児の場面だけでは伝えきれないもの
子育てには、多くの人が「分かる」と感じる場面があります。
思いどおりに進まない朝。
何度言っても伝わらず、強い言葉が出てしまった夜。
子どもが泣いているのに、自分も泣きたくなってしまった時間。
そうした場面を物語にすれば、親はきっと、
「私にもあった」
「自分だけではなかった」
と感じてくれると思います。
その共感は
MIRAISえほんにとって、とても大切なものです。
そのうえで、私たちは考えました。
一緒に絵本を読む子どもには、何が残るだろう。
親の大変さを伝えるだけではなく、
親と子が、そのときの気持ちを話せる物語にできないだろうか。
物語を考える中で、ベイビールナだからこそ担える役割を
もっと深く知りたいと思うようになりました。
絵本の中にベイビールナを入れるのではなく
ベイビールナがいるから生まれる絵本を作る。
制作チームが持ち寄った経験や言葉があったからこそ
この問いにたどり着くことができました。
ベイビールナには、何が見えているのだろう
物語の中で、ベイビールナが泣く場面もあるかもしれません。
ぐずったり、眠れなかったり
大好きな人を困らせてしまったりすることもあるでしょう。
でも、その行動だけを描くのではなく、
「このとき、ベイビールナには何が見えているのだろう」
と考えたいと思っています。
大好きな人の顔が見たかったのかもしれない。
いつもと違う声が、不安だったのかもしれない。
そばにいてくれることを、確かめたかったのかもしれない。
自分でも理由は分からないけれど、何かを伝えたかったのかもしれない。
赤ちゃんは、自分の気持ちをうまく言葉にできません。
けれど、言葉にできないからといって
気持ちがないわけではありません。
親がうまくできなかった日の中には
親の気持ちだけではなく
子どもの側にも、まだ言葉になっていない気持ちがあります。
ベイビールナは
その見えない気持ちを映す存在なのかもしれません。
出来事の中で何をしたかだけではなく
何を見ていたのか。
何を感じていたのか。
何を求めていたのか。
そこまで想像することで
ベイビールナは少しずつ
一人のキャラクターとして立ち上がっていきます。
親だけの味方ではない
先日、イラストを担当してくださるれおんさんと
ベイビールナについて話しました。
その中で、一つの場面が浮かびました。
子どもが泣いている。
親も余裕を失い、うまく笑えない。
そんなとき、ベイビールナは
まず泣いている子どものところへ行く。
そっと抱きしめる。
そして次に、親のところへ行き、親にも寄り添う。
この場面を聞いたとき
「ああ、ベイビールナは、こういう子なのかもしれない」
と思いました。
親だけの味方ではない。
子どもだけの味方でもない。
親の行動を何でも正しいことにはしない。
子どもに我慢を求めることもしない。
どちらかを正解にするのではなく
親にも子どもにも、それぞれの気持ちがあることを知っている。
そして、どちらも一人にしない。
ここに、ベイビールナというキャラクターの根っこがあるように感じました。
何かを解決するヒーローではない
ベイビールナは、魔法を使って
問題を解決するヒーローではありません。
親子をすぐに仲直りさせるわけでもありません。
正しい答えを教える存在でもありません。
ただ、まだ言葉になっていない気持ちのそばにいる。
親にも子どもにも
それぞれの思いがあることを静かに見つめている。
そして、親子がもう一度話すための
小さなきっかけを渡す。
この子がそばにいることで、
「この子は、どんな気持ちだったと思う?」
「あなたは、あのときどう思っていた?」
と、会話が始まるかもしれません。
子どもは
「ただ嫌だっただけだよ」
と答えるかもしれません。
「寂しかったんだよ」
と言うかもしれません。
親がずっと悩んでいた出来事を
子どもはほとんど覚えていないかもしれません。
反対に、親が気づけなかった気持ちを
初めて話してくれるかもしれません。
そのとき親が
「そうだったんだね」
「ごめんね」
「でも、あのときも大好きだったよ」
と伝えることができる。
絵本の中ですべての答えを出すのではなく
親子の会話によって物語が完成する。
MIRAISえほんが目指しているのは、そんな絵本です。
言葉にしすぎないから話せることがある
れおんさんは
言葉よりも表情や間によって感情を伝えることを
とても大切にされています。
以前制作された絵本も
ほとんど言葉を使わず
登場するキャラクターの動きやページの流れによって
物語を伝える作品でした。
だから今回も、ベイビールナは
たくさん話さなくてもよいのかもしれません。
耳を伏せる。
そっと隣に座る。
子どもを抱きしめる。
親の手に触れる。
親と子の間にいる。
言葉がなくても、仕草から伝わるものがあります。
「大好き」と文章で何度も説明するのではなく、
大好きと書かなくても、大好きが伝わる。
表情や仕草で物語を運び、最後に、どうしても必要な一言だけを残す。
説明しすぎないからこそ、読む親子が自分たちの経験を重ねられる。
そこに、MIRAISえほんらしい余白を作れたらと思っています。
対話の中でこの子の輪郭が見えてきた
ベイビールナが大切にすることは
最初からすべて決まっていたわけではありません。
制作チームが
自分の子育てを振り返ったこと。
それぞれの経験を言葉にしたこと。
物語の案を持ち寄ったこと。
れおんさんと、絵本で何を届けたいのかを話したこと。
その一つひとつが重なって
少しずつ、この子の輪郭が見えてきました。
親と子の言葉にならない気持ちを見つけること。
どちらかだけを正解にしないこと。
親も子も一人にしないこと。
自分たちで話せる余白を残すこと。
服装や登場する場所、物語のテーマは、
これから変わることがあるかもしれません。
けれど、この子が大切にするものは
どんな物語の中でも変わらずにいてほしいと思っています。
この子なら、何を見るのか。
この子なら、誰のそばへ行くのか。
この子なら、何を言わないのか。
制作チームのみんなと場面を重ねながら
これからも考えていきます。
ベイビールナと一緒に物語を育てていく
ベイビールナは、まだ生まれたばかりです。
これから表情や仕草が増え、
どんな場面で、どのように親子のそばにいるのかが
少しずつ見えてくると思います。
そして、この子の輪郭が見えてくるほど
ベイビールナだからこそ生まれる物語も見えてくるはずです。
制作チームで重ねてきた時間は
物語へ向かうための遠回りではありません。
この子が何を大切にするキャラクターなのかを
みんなで見つけていくために必要な時間でした。
親だけの味方ではない。
子どもだけの味方でもない。
どちらかを正解にしない。
そして、どちらも一人にしない。
ベイビールナが少しずつ育っていくことは
MIRAISという世界が育っていくことでもあります。
この輪郭を大切にしながら
物語も少しずつ磨いていきます。
ベイビールナが、これからどんな物語を私たちに見せてくれるのか。
その過程も一緒に見守っていただけたらうれしいです。
MIRAISえほんは、8月1日からクラウドファンディングに挑戦します。
完成したものだけではなく、みんなで対話し、見つけ、育てていく過程もお届けしていきます。
◆MIRAISえほんについての説明はこちらから
https://mirais-ehon-lp.vercel.app/
MIRAISえほんのコンセプトがわかる動画もよろしければご覧になってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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