読んだ人にどんな体験をして欲しいか。
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9月24日はMIRAISえほんの進捗をお伝えするLIVEでした。
ご一緒したのは、作画を担当してくれているれおんさん。
そしてもちろん、この絵本の案内役であるベイビールナも一緒です。
進捗LIVEと聞くと
「何ページ進みました」
「ここまでできました」
そんな話をイメージするかもしれません。
もちろん今回も制作の進み具合は確認しました。
でも、実際に深まっていったのは、そこだけではありませんでした。
ベイビールナをどう描くか。
線をどう使い分けるか。
見開きをどう使うか。
小物をどう忍ばせるか。
ハードカバーだけの6ページをどう考えるか。
その全部が、結局は
「読んだ人に、どんな体験をしてほしいか」
という話だったんです。
そう思ったときに、あらためて感じました。
絵本は、絵が上手ければできるわけではない。
どこを見てほしいか。
どこをやわらかく見せたいか。
ページを開いたときに、どんな気持ちになってほしいか。
そういうことを考えながら、少しずつ一冊になっていく。
今回のLIVEは、その輪郭がかなり見えてきた時間でした。
今回の制作では、下書きの段階で全体がかなり見えてくる
れおんさんの制作は、まず全体の下書きから始まります。
そのあとに線画。
そのあとに色塗り。
今回の制作では、この下書きの段階で
絵本全体の設計がかなり見えてくるそうです。
つまり今は、ただページを埋めていくというより
一冊全体の流れや空気をつくっている時間なんですよね。
シルバーウィーク中は、本業や家族との時間もあって
思っていたほどは進められなかったとのこと。
でも、今回のLIVEを聞いていて思ったのは
進み具合を数字で測るだけでは見えない大事な時間があるということでした。
ものづくりって、見える作業の前に
見えないところで設計が進んでいることがある。
今回の下書きの時間も、まさにそんな時間なんだと思います。
ベイビールナが、ちゃんとこの絵本の子になっている
今回、とても印象的だったのが
下書き段階のベイビールナです。
これが、本当にかわいい。
今のCNPのルナともまた少し違って
幼くて、やわらかくて、やさしい空気をまとっている。
同じルナなのに、ちゃんとこの絵本の世界にいる子になっているんです。
「この子がこの絵本を案内してくれるんだな」
そう思える表情や佇まいがあって、すごくよかったです。
しかもれおんさんは、アナログで描いた下書きをスマホで撮ったあと
線画をきれいに見せるための補正ツールまで自作していて。
その話を聞いてあらためて思いました。
この人は、本当に“つくる人”なんだな。
絵を描くだけではなく
必要ならその絵をよりよく見せるための道具までつくる。
完成した絵だけではなく、その過程も含めて作品を育てていく。
そんなれおんさんの姿が見えたことも
今回のLIVEの面白さのひとつでした。
「どう描くか」ではなく、「どう見せるか」
今回いちばん面白かったのは、ここかもしれません。
れおんさんが今回試してみようとしているのは
人物やベイビールナは、線を比較的はっきり見せる
背景や小物は、線を強く出しすぎず、色や濃淡でやわらかく見せる
という描き分けです。
この話、単なる技法の話ではないんですよね。
大事なのは
どこを見てほしいのか。
どんな空気を感じてほしいのか。
ということ。
人物には自然と目が向いてほしい。
でも背景は、ただ情報としてあるのではなく
やさしく世界を支えていてほしい。
そうやって、絵本全体をふんわりした世界観にしていく。
それはつまり
「どう描くか」ではなく、「どう見せるか」
を考えている、ということなんだと思います。
絵本って、ただ上手に描かれた絵が並んでいれば成立するわけではない。
読んだ人の視線。
ページを開いたときの気持ち。
余白や空気の感じ方。
そういうものまで含めて設計していくものなんだと
今回の話を聞いていて改めて感じました。
何度もページを開きたくなる絵本にしたい
今回のLIVEでは、A4サイズのこと
見開きのこと、小物のこと、リターンのことも話題になりました。
一見すると別々の話に見えるのですが、たぶん全部同じところにつながっています。
それは
何度もページを開きたくなる絵本にしたい
ということです。
A4だから、大きく見せられる。
見開きだから、ページを開いたときに初めて成立する表現がつくれる。
小物やリターンを忍ばせることで
一度目では気づかなかったものが二度目、三度目で見えてくる。
たとえば
一度目には物語を読む。
二度目には小物を見つける。
三度目には、背景や構図の意味に気づく。
そんなふうに、読むたびに少しずつ違う楽しみ方ができる絵本になったら
すごくいいですよね。
特にれおんさんがこだわっている
親と子の対比がつながる見開きの話は印象的でした。
ページを開くことで、別々だったものがひとつにつながる。
それって、まさに絵本だからできる表現です。
「A4サイズです」
「見開きがあります」
という仕様の話ではなく
ページを開く体験そのものがこの絵本の魅力になる。
そんな方向が見えてきたのが
今回の大きな収穫でした。
6ページも、その先も。「完成したら終わり」ではない
ハードカバー版にだけ使える特別な6ページについても
少しずつ考えています。
ただ空いているから埋めるのではなく
この絵本だからこそ残したいものは何か。
そこから考えたいと思っています。
そして12月には、完成した絵本を実際に受け取ってもらう時間も予定しています。
最近よく思うんです。
完成したら終わりではなく
誰かの手に渡るところまでが作品の時間なんだなと。
つくる。
届ける。
受け取ってもらう。
そこまで含めて、この絵本は進んでいきます。
今回いちばんうれしかった言葉
今回のLIVEで、私がいちばんうれしかったのは、れおんさんのこの言葉でした。
「自分は絵本に向いている絵が描けているんだなと思えるようになってきた」
コレ、すごくいい言葉だなと思いました。
MIRAISえほんは、親子に届ける一冊をつくるプロジェクトです。
でもつくられているのは絵本だけじゃないんですよね。
れおんさん自身の中にも
「私はこういう表現ができる」
「こういう絵が描ける」
という感覚が育っている。
そしてきっと、私自身にも変化があるし
応援してくれている人たちの中にも
このプロジェクトを通して生まれているものがある。
これまで何度か書いてきた「共創」という言葉は、
単にみんなで協力している
という意味だけではないのだと思います。
一緒につくることで、作品だけでなく人の中にも何かが育っていく。
今回のLIVEは、そのことをあらためて感じる時間でもありました。
「どんな絵本にしたいか」は、もう細部に現れ始めている
やさしいベイビールナの表情。
人物へ自然に目が向く線の設計。
親子がつながる見開き。
読み返して気づく小物。
そして、れおんさん自身が
「絵本に向いている絵を描けている」と感じ始めたこと。
今回のLIVEで見えてきたのは、そんな細部でした。
だからこそ思います。
「どんな絵本にしたいか」は、まだ完成していない段階でも
もう言葉だけの話ではない。
少しずつ、細部に現れ始めている。
今回のLIVEは
何ページ進んだかを確認した回というより、
この絵本が、どんなふうに育っていくのかが見えてきた回でした。
完成までの時間も、一緒につくっていけたらうれしいです。
この絵本を一緒につくっている人・場所
伊咲れおん|MIRAISえほん 作画
アナログとデジタルを行き来しながら
イラストやキャラクターを生み出すクリエイター。
手描きのイラストを軸に、AIと一緒に音楽をつくったり
キャラクターの世界を育てたりと、表現の幅を広げながら活動しています。
MIRAISえほんでは作画を担当。
ラフやキャラクター設定から一緒に考えながら、
「うまくできない日も、大好きは残せる」
という世界を、一冊の絵本へと描き起こしてくれています。
完成した絵だけではなく、その途中にある迷いや試行錯誤も含めて、作品を育てていくクリエイターです。
なおなお|MIRAISえほん 起案・プロジェクト推進
商品開発、企画づくり、コミュニティ運営などを通して
まだ言葉になっていない想いを、動ける企画に変える仕事をしています。
食品メーカーでヒット商品やロングセラーの商品開発、新規事業などに携わり
現在は企業の商品開発・企画支援を中心に活動しています。
MIRAISえほんでは、企画の立ち上げから、クラウドファンディング、
制作進行、発信、そして支援してくださった方のもとへ届けるところまでを担当。
ものづくりで大切にしているのは、
つくりたいものを、そのまま出すのではなく、受け取る人に届く形へ翻訳すること。
今回の絵本でも、つくる人、応援する人、
そして絵本を読む親子の間にある想いをつなぎながら、完成まで伴走しています。
MIRAIS|「やってみたい」が誰かとの出会いで動き始める場所
MIRAISえほんは、子育てをきっかけに自分のこれからを考え、仲間と一緒に一歩を踏み出していくコミュニティ 「MIRAIS」から生まれたプロジェクトです。
子育てをしていると
「今までの働き方、このままでいいのかな」
「何かやってみたいけれど、一人ではなかなか動けない」
「親としてだけではなく、自分自身のことも大切にしたい」
そんなことを考える瞬間があります。
MIRAISには、それぞれの状況やペースを大切にしながら、
誰かの挑戦を応援したり、
自分の「やってみたい」を形にしたり、
仲間と一緒に考え、試してみたりする人たちが集まっています。
MIRAISえほんも、最初から大きなプロジェクトだったわけではありません。
一人の「こんな絵本をつくれたら」から始まり、
仲間が集まり、たくさんの声が重なり、
クラウドファンディングを通してさらに多くの人が参加してくれました。
一人ではまだ形になっていない想いが、
人とつながることで少しずつ現実になっていく。
MIRAISえほんそのものが、そんなMIRAISらしさから生まれた一つの挑戦です。
もし今、
「何かやってみたい」
「誰かと一緒なら、一歩踏み出せるかもしれない」
そんな気持ちが少しでもある方は、MIRAISの活動ものぞいてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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الناصريه
私は絵を描くのが苦手なので、絵で表現できる人を羨ましく思ったりしますが、でも表現の仕方によってはそれが個性や魅力になるのかな、って思いました(^^ゞ